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胡蝶乃夢學園伝奇ブログ。PAGE | 81 80 79 78 77 76 75 74 73 72 68 | ADMIN | WRITE 2010.12.05 Sun 03:16:34 【桐久様から】懇望届かずとも【鍵主】「花薄」の桐久さまからいただいちゃいました…なんとなんと!!!!
鍵主…しかも!鍵×千遥で!!!!!!!! 忍者パロですうわあああ有難う御座いますごろごろごろ!!! 千遥書いていただいたの初めてなので更に嬉しさ倍増ですッ… によによしすぎてネタバレになるので下に感想かきます(笑) お話は追記にたたんであります!ずずっとどうぞ♪ 懇望届かずとも 夕暮れ時、二人で立つあの場所は、いつだって優しかった――― 決して終わらないものであると、そうであって欲しいと、願っていた――― ―――ザザァ… 夜風に乗るように、木々の間を、枝を飛び越えながら奔る。 「―――」 ―――キンッ!! 時折交わる刀の剣戟に合わせて、火花が散り、耳を劈くように金属音が響いた。 刃は交われど、相手の姿は見えない。 在るのは、僅かな気配と、緊迫した空気のみ。 いや、もしかしたら―――わざと感じ取れるようにされているのかもしれない。 “アイツ”なら、気配など片鱗すら表わさない事も出来るだろう。 一瞬だけ過った回顧に込み上げた弱い感情を、強引に押し込める。 油断は死に繋がる。 それは忍である以上、当然のことで。 装束を纏い、こうして対峙している以上、覚悟して然るべきものだった。 ―――ヒュンッ 「ッ!」 回転打で猛然と飛んで来た手裏剣の先端が、木々の隙間から注ぐ月光にきらりと光る。 一刀目は、頭。 二刀目は、右大腿。 ―――キンッ!!キンッッ!! 的確に部位を狙われた攻撃を、空中でいなし、木の枝に立つ。 着地の反動で、動きを止めた刹那―――ぞわりと“目”が警告を発する。 「ッ!?くっ…」 失敗したと思い、回避に踏み出そうとした足は、既に硬直し動かなくなっていた。 ―――影縫い。忍の術法の一つ。 月光が照らす枝に、自分の影が伸びている。 その端に、光る針。影縫いの≪気≫が籠められた針だ。 いつの間に投げられていたのかすら、俺にはわからない。 おそらく、この場に俺が立つのも、計算の内だったのだろう。 「チッ…」 してやられたと思い、重石を載せられたかのように鈍くなった体を鼓舞し、強引に解印を試みる。 だが、音もなく眼前に現れた人物に、体は自然と動きを止めてしまった。 「―――」 「気は済みやしたかい?」 緊迫した空気に似合わぬ、飄々とした声だった。 そんな声と姿に、俺はただ見入り、言葉を無くす。 ぴんと伸びた狐耳。 束ねられた金色の髪。 淡くも形だけの笑みを浮かべた唇。 俺とは違う褐返色の忍び装束のせいか、月光のせいか―――見慣れていた筈のソイツは、怜悧な印象を色濃く胸に抱かせる。 こんなにも…変わってしまうものなのだろうか…。 覚悟をしていた筈なのに、甘さを消せない自分を知覚して、苦い感情が競り上がって来る。 眼前にいるのは、俺が追っていた相手であり、先程まで剣戟を交わしていた相手。 誰よりも追わなければならないかつての同胞――――抜け忍の鍵だった。 「…」 「どうしやした?フフッ…まるで化かされたかのようなご様子だ」 「…そんなんじゃねぇよ」 声を聞くのも、姿を見るのも、二月振りだ。あの、夜以来――― 「お元気そうで何よりだ。あの夜の後、熱を出したと聞きやしたからね」 「ッ!!」 反射的に身構えようとするのを、影縫いが止める。 悔しさと羞恥にかっと胸が焦げた。 感情のまま睨めば、くつくつと冷えた笑いが鍵の唇から零れる。 笑いを零しつつ、開いた目蓋の奥。 妖しい光を宿した紅い瞳が、俺を映す。 「―――ぁ…」 それは、あの夜―――鍵が里を抜ける前夜に初めて見た、紅い瞳。 化生の証――― 蓋をした筈の二月前の出来事が、じわじわと記憶の奥底から這い出て来る。 ―――あの夜。 あの夜も満月だったと、空を見上げ思う。 今日と同じくらい明るくて、どこか冷たい光を纏った明月だった。 …思い出したくない。 けれど、一度封を解いた記憶は蘇る事を止めず、全身に怖気が走る。 ぶるりと震える俺の体を、鍵が瞳を閉じて笑う。 その笑みの冷たさは、月光の冴え冴えとした輝きと相俟って、心を畏怖が占めた。 「その様子じゃ、誰にも言ってないようですね」 「言えるかッ!!あんな…あんなこと…」 煽られていると分かっても、まざまざと眼前に記憶が映し出されれば、声を出さずにはいられなかった。 二月前。 まだ秋風が涼やかだった頃。 “その日”は、酷く胸騒ぎがしていた。 急き立てられるかのように、怯えるかのように、胸の中をざわざわと何かが掻き回していた。 思えば、予兆はきっとあったのだ。 予兆と気付き、コイツの様子に気付いていたら、何か変わったのだろうか。 あんな夜を迎えずに済んだのだろうか…。 満月が光降り注ぐ夜半―――俺は、鍵に抱かれた。 戸惑う間も無く組み敷かれた体は、一言の会話すらなく、貪られた。 果て無い暴力にも似た行為は、俺を貪り、辱め、理不尽に“俺”という存在をバラバラにした。 覚えているのは、熱さと吐息。 汗と涙。 心と体を抉る痛み。 そして―――暗闇に映える紅い瞳と、唇が形作る残酷なまでに艶やかな笑み。 熱に魘され、自分がかき消える悪夢から目を覚ませば、時は三日も過ぎ、鍵の姿はどこにもなかった。 ―――抜け忍として、敵対する里に身を置いた事実を残して。 「あんなこと、ねぇ…?」 「ッ!」 鍵の揶揄する視線に動かぬ体を捩ろうとすれば、鍵の笑みが濃くなった。 冷淡な愉悦が多分に含まれた笑みは、獲物を捕捉する動物のそれに似ていた。 「くくっ、いけやせんよ。忍が怯えを見せるなど軽率過ぎやす。ここは里じゃない」 「そんなことわかってる!」 嘲笑うようなそんな笑みで話しかけられたくなくて、苛立った心が声を張り上げさせる。 そんな俺に反応した鍵の眉と耳がぴくりと動き、表情から笑みが消える。 同時に漂う重厚な空気に、異物を飲み込んだかのように喉が苦しくなった。 「…何で里を抜けたんだ?…何で…」 聞いても意味がないと分かっていても、聞かずにはいられなかった。 里の掟は絶対だ。 抜けた以上、掟の誓約によって、討ち滅ぼされるまで追手を差し向けられるのがさだめ。 今でも俺は、まだ悪夢の中にいるんじゃないかって気になる。 これは現(うつつ)で、拭えない事実だっていうのに。 「さあ…なんででしょうね?」 「とぼけるな!俺や里を捨ててまで、アイツ等につく必要がどこにあったっていうんだよ!?」 「俺を捨ててまで、ですか…」 「っ!」 鈍い輝きの眼光に射抜かれ、息を呑む。 その視線は確かに俺を見ているのに、籠められた感情は全く読めなくて。 禍々しさすら感じる紅色に、思考が呑まれそうになる。 「…連れ去ったなら付いて行ったとでも、おっしゃいやすかい?」 「なっ!?」 意外な言葉に上擦った声が出た。 跳ねる鼓動が痛いくらいで、俺は鍵が言った言葉を確かめるように、その顔を見る。 けれど、一拍の間を置いて、吹き出すように笑われて、かあっと頬が熱くなる。 「う、うぬぼれるな!あんなことをしておいて、何を言っていやがる!あんな…」 「くくっ、そんなに繰り返されると、また“あんなこと”をして欲しいかのようだ」 「っ!」 するりと頬に触れた指先は夜気より冷たく。 反射的に強ばる表情を楽しむかのように、鍵の手が頬を滑る。 「や、やだ!触るなっ!」 「相変わらず柔らかい頬だ…ふふ」 指先から掌と。 ゆるゆると動くその手と注がれる眼差しに、息が詰まる。 なぞるように滑る指先は、あの時、胸や足を這った手の感触をじわじわと思い出させる。 「離せ…!っく」 解こうにもこいつの方が術力は上で、おまけにぞわぞわと追い詰める冷たい手の感触に、集中が途切れる。 「―――千遥」 囁かれる俺の名前。 二月ぶりに鍵の口から聞いた名前は、とても自然で、何一つ変わらなくて。 変わっていないことと変わっている現状との相違に、胸が締め付けられた。 「い、今更名前なんて呼ぶなッ!敵に名前で呼ばれる筋合いはない!」 自分の綯い交ぜになる感情を振り払うように、声を張り上げれば、ぴたりと鍵の手が止まる。 夜風が緩く二人の間に吹く。 風が虚空に流れ去るのに合わせて、鍵の手も俺からすうっと離れた。 その様に込み上げた痛みを考えたくなくて、ここに来るまで思い続けた言葉を反芻する。 そう、敵なんだ。 もうこいつは…敵。 何度も思った言葉。 そして、言い聞かされた言葉。 もう―――変えられない事実。 「私を一度も名で呼ばないのもそうした理由で?」 静かな声だったが、尋ねて来る鍵の表情を見たくなくて、俺は顔を伏せた。 「……お前なんて…お前で充分だ。抜け忍をわざわざ呼称する気はない」 「そうですかい」 「…」 流れる間が、重く胸にのしかかる。 どうして俺はこんなにも…苦しくなる心を抑えないといけないのだろうか。 手酷いことをされたのは俺だっていうのに、それでも俺は鍵との間に流れる冷たい空気に、徐々に耐えられなくなっている。 許せないと思っている。 裏切られたと思っている。 怒りと悲しみと、痛みと羞恥と。 そのどれもが辛くて、どれからも俺は解放されないでいる。 けれど、鍵の“真実”はわからない。 追跡する任を命じられ受けたのは、二月経っても尚消えない鍵の面影を追って、何かを得たかったのかもしれない。 現実は決して温くはないというのに、それでも俺は――― 「里を抜けて何になるんだよ…。里を滅ぼしたいのか?」 「別に里などどうでもいいんですよ、私にはね」 「嘘だ!」 「―――」 冷笑と共に呟かれた言葉を、俺は否定した。 反射的に上げた視線が、鍵と重なる。 鍵が里のことをどうでもいいと思うなど、嘘だ。 コイツは誰より里が好きだった筈だ。 ―――十年前。 “一緒に来やすかい?” 行き場の無い俺を、鍵は拾ってくれた。 何処にも居場所が無くて、信じる事を拒否して、何もかもを遠ざけたかった俺を。 黙ったままふらふらと付いて来る俺を、鍵は導くようにその場所に連れて行った。 辿り着いたのは、夕暮れに染まる丘。 眼下に広がる集落を、鍵は“里”と呼んだ。 忍びの集落。秘密の里。 眼下の光景を指差しながら、俺に里の事を語る鍵の声と眼差しはとても優しかった。 “きっと、坊も好きになりやすよ、ここをね。だから…もう、怯えなくていいんですよ” 微笑んで握られた手。 夕焼けに染まった景色は綺麗で、温かくて。 だから、俺は鍵の手を握り返して、自分もこの場所を好きになれるだろうかと、捨てた筈の希望を見出したのだから。 それ以来、毎日登っていた丘。 そこから見える景色を眺める鍵は、いつも優しくて穏やかだった。 鍵にとって里は、大事な居場所なんだと、俺は言われなくたって分かっていた。 なのに…どうしてそれを安易に否定出来るというのか。 俺以上に思い入れのある里を、鍵が憎しみを持って見るなんて考えられない。 ならば―――何故、今こうなっているのか…。何故。 「やれやれ…坊にも困ったものですね」 重なる視線を先に外したのは、鍵だった。 鍵が溜息を零し、薄く笑う。 「言っていることがちぐはぐだと思いやせんか?私を敵だと言いながら、私が里を軽視する訳がないとおっしゃる。私を憎んでいるでしょうに、その言葉は私を気遣っている」 「俺は…」 わかっている。 憎しみは結局言い聞かせているのでしかないと。 浸食された恐怖は、生々しい。 思い出すことは正直怖くて堪らない。 けれど、それでも。 鍵が何故里を抜けたのかを知りたかった。 得たかった何かは―――理由。 俺は…結局―――鍵をまだ…信じたいんだ。 甘さが命取りだと散々言われていたというのに。 俺は、鍵がくれた優しさまで捨てたくなかった。 「―――まったく…」 鍵がふぅっと息を吐く。 ゆっくりと両肩を掴まれる。 見上げれば、満月を背に、揺れる瞳が俺を見ていた。 「け―――ッ!?」 それは一瞬で消えたけれど、二月振りに“鍵”を見た気がして、唇から自然と名が零れかける。 だが、緩く掴まれていた両肩に、ギリッと鍵の爪が食い込み、痛みが言葉を阻む。 そして、変質した空気に息を呑んだ。 ゆらりと、鍵の体から立ち上る金色の光。 俺の“目”だからこそ感じる、妖の気配。 戸惑う俺に、にたりと鍵が笑った。 口から覗いた牙に後ずさりしかけるのを、術と食い込む手が阻む。 「……。…飢えの時期がありやしてね」 「…?」 「一生に一度あるかないかのものなんですが、私の一族にはそんな因果がありやす」 落ち着いた声。 だが、ゆらりゆらりと上る陽炎のような気配に呼応して、俺の体には冷たい汗が吹き出る。 「それ故に私の母は私を捨てやした。因果が回る事実をこれ以上目にしない為に」 初めて聞く事だ。 家族はいないと言っていたけれど、それは生き別れたか何かだと思っていた。 「…」 「去年、断食の修行がありやしたね。覚えてますかい?」 「あ、ああ…」 訥々と紡がれる言葉。 声音は静かで、普段聞いていたものと変わらないのに。 ―――怖い。 “目”が警鐘を鳴らす。ここに居てはいけないと。 ―――逃げるなら今しかないのだと。 「あの何十倍もの飢餓と言えば宜しいのか。坊を喰らった夜はまさに渇望しかありやせんでした」 「!」 鍵が笑う。冷たく、妖しく。 唇からちろりと垣間見えた紅い舌先に、ぞわりと肌が粟立つ。 「渇きに頭の中が赤く染まるんですよ。血だまりに嵌まり、ずぶずぶと沈み込むように、ね」 「ッ!」 鍵の瞳が開く。 覗いた紅い瞳に射抜かれる。 先程見たそれより、もっと紅い…鮮やかな血の、色―――。 「飢えを満たすには、贄が要りやす」 「贄…」 「そう…」 動けない俺の頬を再び鍵の手が滑る。 俺はただ目を見開いて、紅い瞳から視線を逸らせないでいる。 鍵は俺の目の中の自分を見るかのように、顔を近づけると、すっと唇を俺の耳元へ寄せた。 「犯し、辱しめ。喰らい、貪り。哭かせ、喘がせ…ひたすら己の飢えを満たさせるだけの贄が…必要なんですよ、私には」 「んっ!!」 食まれた耳朶。 そのまま舌先がちろりちろりと、耳朶の輪郭をなぞり舐め上げる。 「よ、よせ!」 「怖いのでしょう?本当は?あの夜も震えていた」 「っ、は…」 鍵の咥内に含まれた耳朶が、弄ばれる。 緩く噛まれ、ねっとりと舐められ、その度に全身にぞくぞくと痺れが込み上げる。 痺れが同時に運ぶ甘さが怖くて、俺は鍵から逃れようと身を捩る。 途端に、術が強まる。 影縫いで動かなかった下肢から、全身に絡まる力。 ぐらりぐらりと酩酊する感覚に、体が抗する力を逸し、意識に霞がかかる。 まずいと思った。 警鐘が頭の中を反響するのに、痺れが広がって、指先にまで力が入らなくなる。 「―――痛ッ!」 痛みに視界が一瞬赤く染まる。 鍵が首筋に噛みついたのだと、遅れて気が付いた。 流血する感覚。 伝う朱を紅い舌が舐め、唇が啜る。 その様に、体が疼いた。 体の芯が火を点したかのように、熱を帯びる。 欲なのだと、ゆっくり知覚し、体がかたかたと震えた。 嫌、だ…あの夜を繰り返すのは、それは、嫌だ…。 欲と恐怖が心身を浸食して行く。 追いつめられた罪人のように震える俺を、鍵が笑いながら、撫で回し始める。 「ふ、ぁ…」 「妖の精は人には強すぎやすから、ね…。人としての≪気≫が強い坊には、荷が重いでしょう」 「あ、やだ!!やめっ…」 上衣の前を寛げられ、外気に触れた胸元に直接鍵の手が這う。 触れられるだけなのに、触れられた箇所が、快楽の熱をじわじわと体を心に広げていく。 立ち上る金色の光が見える。 鍵の体から、俺の体へと蛇のように絡まっていく力が。 「んんっ!!」 「可愛いですよ、坊。本当に素直な体だ」 「ふざけ…る、な…っ…!ひぁっ!」 じんじんと鈍く痛み始めていた胸の先端を、爪で軽く引っかかれば、体が仰け反り甘い声が闇夜に響く。 「くく…」 「―――ぁ…」 「貴方は素直で、それ故に眩しく。それ故に…私は―――…れぬ―――…をしやした」 「…?」 一瞬、耳を掠めた声は、交わした会話の何よりも真摯で。 けれど、何を言われたのかわからず、霞む意識に抗いながら顔を上げる。 一瞬、月光の目映さに目が眩み、目を閉じる。 再び開いた目に映ったのは―――紅。 残酷な輝きを宿した鍵の目だった。 「―――!」 にやりと鍵が笑う。 残忍さしか感じられない輝きに、どくりと心臓が跳ねた。 「ぁ…」 「今日は貴方の負けだ。負けた以上…加減などしやせんよ?」 腕を強く掴まれる。 乱暴に木に押さえつけられ、探ろうとした言葉はもう聞けなかった。 何とか言葉を紡ごうとした唇が、鍵の唇に塞がれる。 たちまち貪られ、舌先が口内を蹂躙する。 息が詰まる。 愉悦と欲情に満ちた気配が、笑っているのが分かる。 絡め取られた手。 体は抵抗を許されないまま、鍵の手が導く快楽に染まって行く。 ―――贄。 ―――飢え。 …わからない。 けれど俺は鍵兄を…鍵を…――― 「千遥…」 名を呼ばれる。 冷たくも、淫蕩に満ちた声音で。 絡め取られる意識に、緩々と首を振る俺の胸元に、鍵が嗤う吐息が降りかかる。 それにすら、疼き始めた体は仰け反り、鍵の手に合わせて躍る。 届けたい言葉は届かず塞がれ、差し伸べたい手は届かず押さえ込まれる。 また…何も聞けないのだと、届かないのだと思い知って、溢れる涙を鍵の舌が掬った。 侵食され、堕ちる刹那。 脳裏を掠めたのは、鍵とまた笑い合ってあの丘に立てたらなんて、そんなちっぽけな願いだった。 *・゜゜・*:.。..。.:*・*:゜・*:.。. .。.:*・゜゜・**・゜゜・*:.。..。.:*・*:゜・*:.。 がほがほ!!!うわー切ない…切なくて仕方ない…!!!。゜゜(´□`。)°゜。 名前を呼ばまいとする所とか、信じたい気持ちとかあうあう可愛いおやばかだろうが可愛い← 鍵兄とかもよいですね呼び名…あばばたまらぬ というかおきつねさんえろいです首にがぶりとかなん…もう…はげもえる… 鍵ちゃんの一族の悲しく恐ろしい運命も。こちら続きがありまして、そちらで詳しく語られるのですが。 愛しいがゆえの苦しみが…届かない声。伝えられない真実の想い。 二人がどうなっていくのか見守っていきたいのです。鍵ちゃんの仕草がたまらな(ry 素敵なお話有難う御座いましたああ!!!【愛】 PR TrackbacksTRACKBACK URL : CommentsComment Form |