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ちいさいりゅうのむかしばなし・壱

うちの外法主・浦壁蘭陵の生まれから最期までの絵本仕立てのお話。
「始まりの龍」だからやっぱり人間ではないのだろうとか妄想が詰め込んであります(笑)
あと絵本ぽくしてるので平仮名が多くて読みづらいですがッ…
宜しければまずは序章から、どうぞ!長いので畳みます。



【ちいさいりゅうの むかしばなし 序章】





むかしむかし きいろいりゅうが げかいを見てなげきました。
「戦いの世はもうおわらせよう これいじょうの血が流れるのをみたくない」
きいろいりゅうのながした涙は げかいの巫女のからだにふりました。

mukashi1.jpg

みこはその夜 夢でおおきなりゅうにあいました。
「そのこは 歴史をかえるちからとなる どうか大事にそだててくれ」 と。
すうじつご 巫女はこどもをさずかりました。
そのちいさなおとこのこの目は金色で ちいさなつのがはえていたのです。

mukashi2.jpg



しかし せいちょうするにつれ 目の色はかわり つのもきえてしまいました。
からだを動かしたくてかよったむらの道場にも りゅうに勝てるものはいません。
むらびとも 母である巫女も かれをおそれ うやまい
まわりにひとがいても ちいさなりゅうは ずっとひとりぼっちでした。

mukashi3.jpg



そんなまいにちがつづいていた あるひのこと。
ちいさなりゅうは さけびごえと 火のもえるおとで目がさめました。
巫女はかくしとびらのなかに ちいさなりゅうを隠していいました。

mukashi4.jpg

「あなたは私たちの希望 けっして死んではなりません」
いやがるちいさなりゅうを抱いて 巫女はつぶやきました。
「いっしょにいてやれなくてごめんね 私のかわいい子…」
おもいとびらが しまりました。


ちいさなりゅうが外にでられたとき むらはすっかり焼けていました。
何がおこったのかわかりません。

mukashi5.jpg

けれど 悲しくて 苦しくて
ちいさなりゅうは泣きました。
星がでて
陽がのぼっても
ずっと泣き続けました。



どれくらいたったか わからなくなったころ。
ちいさなりゅうは いえのこげあとに 黒いつづらをみつけました。
つづらの中には おおきなきんいろのりゅうがししゅうされた まっしろな胴着がありました。

mukashi6.jpg

それに巫女のかおりをみつけ また ちいさなりゅうは泣きました。
そしてちいさなりゅうは 旅にでることにしました。
みんながさびしくないように むらにたくさんの花をうえて。

mukashi7.jpg


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